「小さなやすらぎ」の集い


毎日新聞2005年9月21日東京朝刊に、「小児脳腫瘍の会」会員である中村さん と娘の采音さんの記事が載りましたので、記事と文中に出てくる采音さんの作文をご紹介いたします。

小児がん征圧キャンペーン「小さなやすらぎ」の集い あふれる笑顔

◇生演奏、風船芸に歓声

横浜ランドマークタワーの最上階に、今年も子どもたちの元気な笑い声が響いた。横浜市西区の横浜ロイヤルパークホテル70階のラウンジ「シリウス」で、先月22日に開かれた「『小さなやすらぎ』の集い」(特別協賛・ファンケル)。 白い雲に手が届きそうなラウンジには、小児がんと闘い、乗り越えてきた子どもと家族ら93人が集まった。やすらぎの時間を彩ったのは、人形劇と風船芸。 そして、バイオリニスト、千住真理子さんの心のこもった演奏とホテルスタッフの笑顔だった。【井上卓弥】


「集い」は、小児がん征圧キャンペーンの趣旨に賛同したホテル側が会場と食事を提供し、02年にスタート。今年も患者団体「がんの子供を守る会」を通じて参加者を募った。特別協賛のファンケルが健康食品を提供。日本児童文芸 家協会(東京都千代田区)から絵本のプレゼントもあった。

子どもたちは、横浜港のパノラマを楽しみながら、バイキング・メニューを堪能。続いて、ボランティアで出演した千住さんがステージに立ち、子どもたち に1曲ごとに語りかけながら「メヌエット」「ユーモレスク」などの名曲を披露した。

歓声が高まったのは、人形劇団「オフィスやまいも」による「おむすびころりん」の熱演。さらに、大道芸人の南芳高さんが楽しい風船芸で会場を沸かせた。

横浜周辺の子どもたちにとって「集い」は夏休みのイベントとして定着した。脳腫瘍(しゅよう)やその後遺症と闘う市内の小学6年、中村采音(あやね) さん(11)は、母正江さんが参加する「小児脳腫瘍の会」(http://www.pbtn.or.tv/)の仲間と会場に来た。同会は神奈川県を中心に、 脳腫瘍の子どもと家族の生活の質の向上を願い、ホームページでの情報提供などの活動を続ける。

脳腫瘍は腫瘍のできた部位により体の機能にさまざまな影響が及ぶ。采音さんは小1で発病した後、右半身がまひし、呼吸停止も懸念される状態に陥った。 だが、翌年から少しずつリハビリを始め、ほぼ通常の生活ができるまでになった。

右手の動きがまだ完全ではないが、ピアノの練習も始めた。千住さんの演奏に「弾いたことのある曲が多くてうれしかった」。南さんの風船は「苦手なもの まね」をしないともらえないが、「作るのを見てるだけで満足」。采音さんは作文に気持ちをつづった。

同じく市内の小学3年、神原(かんばら)爽之助君(8)は、発症率が低く情報も少ない肝芽腫と2歳のころから闘ってきた。化学治療を通常の倍の期間 続けて退院したが、昨夏に治療との関連も否定できない頭蓋(ずがい)内出血を起こすなど、不安は断ち切れない。

横浜での生活が長い母結花さんも、ランドマークタワーを訪れたのは一昨年の「集い」が初めて。その年、同じ病気の子を持つ仲間と、情報交換や交流の場 「肝芽腫の会」(http://enjoy.pial.jp/~kangashu-no-kai)を設立した。インターネットを通じた患者家族のネットワークも築かれつつある。

以来、「集い」には欠かさず出かけてきた。「小食な子なのに何度もおかわりして……」。人見知りの強い病気の子どもが、スタッフのやさしい対応に打ち 解ける様子も目にしてきた。「大勢のスタッフの方々に一人一人お礼を申し上げたいくらいです」。ホテルにあてたお礼のカードに、そうしたためた。


◇温かい空気…忘れられぬひととき−−バイオリニスト・千住真理子さん

日本を代表するバイオリニスト、千住真理子さんが毎日新聞のキャンペーンに賛同し、子どもたちにボランティアで演奏を披露した。チャリティーにかける思いなどを聞いた。

−−これまでのチャリティーへの取り組みは

◇病気や障害のあるお子さんたちの前でよく演奏してきました。子どもたちの感性は鋭く、演奏する側が出した心ない音を見抜く力がある、と感じさせら れます。

−−どんなことに注意しますか

◇心を集中させて音を出そうということをより強く感じるのが、こうしたボランティアでの演奏です。音楽家にとって最も大切なことを、改めて気付かせ られる機会と言えるかもしれません。

−−今回の選曲は

◇病気と闘うお子さんの心をいたわれるような曲を選び、心に寄り添えるような演奏を心がけました。

−−反応はどうでしたか

◇子どもたちの純粋なエネルギーが、私を無意識のうちに演奏させたように感じました。温かい空気は1秒、一瞬をいとおしく感じさせる深い感動を教えてくれ、忘れられない大切なひとときになりました。


小児がん征圧募金を呼びかけています。送り先は 〒100−8051 東京都千代田区一ツ橋1の1の1 毎日新聞東京社会事業団「小児がん征圧募金」係 (郵便振替00120・0・76498) 匿名を希望される方は明記してください。


人物略歴

◇千住真理子さん

2歳から演奏を始め、15歳で日本音楽コンクール(毎日新聞社など主催)に最年少優勝。国内外で活躍するかたわら社会活動にも積極的に取り組んでいる。

毎日新聞 2005年9月21日 東京朝刊

小さなやすらぎのつどい

中村 采音

私は今年で4回目になる毎日新聞社が主催している小さなやすらぎのつどいに行ってきました。この会はがんの病気とたたかっている子と家族が集まっている会です。場所は横浜ロイヤルパークホテルです。私はこの会に来るのは3 回目で毎年楽しみにしています。

ロイヤルパークホテルの70階の一番高い所にあるレストランで行われるのでエレベーターで上がるとき、耳がツーンとします。けれど私はその感じが好きです。 70階から見た景色は車がアリみたいに小さくて人は見えないほど小さかったです。でも景色はとてもきれいでした。

食事はバイキングでたくさんの種類の食べ物がいっぱいあります。食事をする時はいつも仲良くしている子と同じテーブルで楽しく食べました。私は少し食 べただけでお腹が一杯になりました。いつも食べないエビフライにタルタルソースをかけて食べました。とても美味しかったです。その他にもミニハンバーグ を食べたりコーンスープを飲んだりデザートにバニラのアイスクリームを食べました。甘くておいしかったけど、あますぎでした。

食事が終わった後は、バイオリンとピアノを合わせた演奏を聞きました。全部私が知っている曲で楽しかったです。

曲を聴いた後は人形劇が始まりました。お話は「おむすびころりん」でした。 少し本で読んだ話とは違う気がしました。話が始まる前に歌を歌って手を動かすことをやりました。小さい子は一生懸命やってたけど私と友達はやりません でした。けれどこの人形劇団は毎年来ているけどとてもおもしろいので楽しみにしている催し物の一つでもあります。

人形劇が終わった後「風船おやじ」という大道芸の人が来てアートバルーンという細長い風船を使ってスイカを食べるカブト虫を作ってくれました。この風 船を貰うには物まねをしないともらえないので、物まねが苦手な私は一度も貰ったことがありません。今年は見ている子と一緒にただひねるだけの宇宙人を作 りました。私はまだ一度も風船を貰った事がないけれどアートバルーンを作っている所を見ているだけでも面白いから満足です。

私は夏休みで一番楽しみにしているのはプールとこの小さなやすらぎのつどいです。今年も小さなやすらぎのつどいが楽しかったです。